身体の延長としての想像による文章作品を作りました。
以下。
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◆妄想タンス体験
私は気がつくと、
蛍光灯の明滅する部屋の中で、
プラスチックでできた白い収納タンスになっていた。
そのタンスの
真ん中のあたりの引き出しを開けると
私の内臓が中を満たすように
ドクドクと鼓動しながら、うごめく様に入っていた。
最下段の引き出しを開けると
12cmぐらいの真っ黒に黒光りする
巨大な楕円形の甲羅を持ったような昆虫が
たくさん、びっしりと入っていて、
あふれそうに蠢いていた。
最上部の引き出しを開けると、
7つか、8つかの脳みそがプルプル震えながら入っていて、
お互いに何かをしゃべっていた。
私は身体であるタンスの脇、両側から、
足を延ばし、くの字に曲げて、
地面に足をついた。
そしてミリ単位づつではありながら
少しづつ、畳の部屋の中を移動する。
移動する先には
真っ黒な沼のような渦巻く水たまりが出来ていて、
それに少しづつ近づいて、
ズブズブとその中に落ちた。
沼の中に落ち切ると
中は黒く、そして暗くはあるが、
透明度があり、
時間が止まっているかのようにゆっくりとではあるが、
気泡が上がっていて、
水の中が透けて見えた。
どこまでも音のない
静かな空間が沼の中に広がっていた、、、。
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